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嶋田 至のブログ

下(現場)からのコミュニケーションを促す「謙虚な問いかけ」

2021-12-10

先日、ある福祉関係のリーダー層の方々向けに、「職場のコミュニケーション」についてオンライン研修を担当させていただきました。

職場のコミュニケーションにはいろいろな要素がありますが、いちばん大切なものは現場から上へのコミュニケーションではないでしょうか。
多くの組織は、上から下へのコミュニケーションが容易な構造になっていますが、この逆は難しいものです。

下(現場)からのコミュニケーションを促すためには、上に立つ人たちがコミュニケーションの「回路」を開いておくことが必要です。
そのための行動のヒントとして、エドガー・シャインの「謙虚な問いかけ」を紹介させていただきました。

謙虚な問いかけは、『問いかける技術~確かな人間関係と優れた組織をつくる』(エドガー・シャイン著、英治出版)に書かれている、これからのリーダーのための質問の技術です。
組織の複雑性や多様性が増し、さらにリモートワークが当たり前になってくると、コントロールするだけでなく「持ちつ持たれつ」の関係に変化せざるをえません。
部下の考えや思いを知り、相手を尊重して関わりあうなかで、まわりの人たちは自分が知らない知恵を持っていることに気づくことができます。

ただ、多くの組織では、上に立つ人は「語ること」ばかりを求められ、部下の声を積極的に聞く姿勢になりません。
そのため部下が何を考え、どんな気持ちで仕事に取り組んでいるのか、何が職場の協働の障害になっているのかに気づかないことが多いのです。

だからこそ、上に立つ人は「謙虚に問いかける」ことが必要です。
権威によって指示するのはなく、また、自分が知りたいことだけを質問するのでもありません。
相手本位に、相手の声に耳を傾けるのです。
あたかも先輩に教えを乞うように、「私の知らないことを教えてほしい」「あなたが持っている知恵を教えてほしい」といった問いかけです。

それはオープンで、持ちつ持たれつの協働を深めていくための作法でもであります。
こんな話を紹介しました。
参加された人たちが、各々の職場を生き生きしたものに変化させていくきっかけを見出してくれたらいいなと思います。

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