嶋田 至のブログ
これからのリーダーシップは、自分らしさを活かした「ヨコ型」のリーダーシップ
2020-01-22
私たちLLCチーム経営では、2012年から毎月第2木曜日に「これからのリーダーシップ勉強会」を開いています。
企業だけでなく、医療機関、福祉施設、労働組合、NPO、学校、行政など、多様な組織で働く方々が参加されました。
立場も、経営者やリーダー層の方々、専門職、コーディネート役の方々と多様です。
こんな方々が集まって、対話や体験学習、内省などをともにおこないながら、「これからのリーダーシップ」について学びあってきました。
「これからのリーダーシップ」とは、「ヨコ型」のリーダーシップです。
従来の組織では、権威にもとづく指示命令で人を動かす「タテ型」のリーダーシップが多用されてきました。
リーダーが問題解決の方法を熟知している場合は、「タテ型」のリーダーシップが効率的で、間違いをおこすことが少ないでしょう。
前例を踏襲でき、ある程度予測可能な環境においては、「タテ型」のリーダーシップが有効かもしれません。
しかし、近年のように、前例がなく予測不能な変化がおこりうる環境にあっては、常に「タテ型」が有効に活かされるわけではありません。
メンバー一人ひとりの考えや経験、アイデアや情報を持ち寄って、ワイガヤの話しあいのなかならより適切な解決方法を見出し、協働で取り組んでいくことを促すようなリーダーシップが求められるのではないでしょうか。
これを、私たちは「ヨコ型」のリーダーシップ(ファシリテーター型リーダーシップ)と称しています。
ヨコ型のリーダーシップには、「このようにふるまえばよい」といったマニュアルはありません。
各々が、自分の持ち味を生かして、多様な人たちに影響を及ぼしていくことが求められます。
ヨコ型のリーダーシップを発揮し、より影響力を高めるためには、自分らしさを活かしたリーダーシップを身につけていくことが必要です。
「これからのリーダーシップ勉強会」は、従来は1年間のプログラムを設け、オープンなかたちで参加を呼びかけてきました。
2019年後半からは1期6回分のプログラムとして、全回参加をお願いしています。
6回分でリーダーシップに関する基本的なことを学ぶ場を提供しつつ、各々の学びを私たちスタッフがしっかりサポートできるようにするためです。
こんなプログラムを提供しています。
・第1回:オリエンテーション ~自分のリーダーシップを俯瞰(ふかん)する
あなたは職場でどのように関わっていますか?それはまわりの人たちにポジティブな影響を与えているでしょうか?自分の今のリーダーシップを俯瞰し、この勉強会での「ねらい」を考えます。
・第2回:信頼を築くコミュニケーションスキルを養う
コミュニケーションの2つの側面(出来事と感情・雰囲気)と3つの要素(はなす、きく、みる)への理解を深め、まわりの人たちとの相互理解と信頼関係を深めていくための姿勢や関わり方を養います。
・第3回:相手の成長を支援する関わり方を学ぶ
傾聴、共感、問いかけ、フィードバックなど、一人ひとりが持ち味を生かして自律的に成長することを支える、リーダーの関わり方を学びます。
・第4回:多様性を成果に生かす感情のマネジメントを学ぶ
メンバーの多様性を成果に生かすには、リーダーが自己の内面に向きあい、感情に振り回されない姿勢が大切です。マインドフルに自分を整える技法を学び、自他の感情を大切に取り扱うスキルを養います。
・第5回:チームの協働を促すリーダーシップを養う
職場での協働を促すためには、組織風土を観る力と、風土に変化を促す介入のスキルが求められます。体験学習法によって、これからのリーダーに求められる「場づくり」のスキルを養います。
・第6回:学びと実践を内省し、これからのリーダーシップを考える
内省(リフレクション)の技法に沿って半年間の学びと実践をふりかえり、自分の持ち味を生かしたリーダーシップを実践するための行動計画をたてます。
これは、公開の勉強会ですが、さまざまな組織におけるリーダー育成の研修プログラムとしても、活用できると考えています。
多様な組織の、さまざまな立場の方々が「これからのリーダーシップ勉強会」に参加され、自分らしい「ヨコ型」のリーダーシップを身につけるために、学びあっていただきたいと思います。