嶋田 至のブログ
ファシリテーションが「援助・促進のスキル」であるとはどういうことか
2026-06-11
以前、チーム経営のファシリテーション講座に、自分のファシリテーション力の「力だめし」に参加された人がいました。
彼(ここでは「Bさん」とします)は、某社の幹部昇格試験を受けるに際して、自分なりにファシリテーションを学び、「ファシリテーション能力のあるリーダー」として注目されようとしておられたようです。
チーム経営のファシリテーション講座では、ある課題について参加者同士で模擬会議をおこない、その後、皆で会議をふりかえります。
会議中の雰囲気はどうだったのか?どう変化したか?
誰のどんな発言や行動によって、グループにどんな影響がもたらされたのか?
一人ひとりの関わりは、グループの成果にどう貢献しただろうか?
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こんなことを、何度も繰り返します。
参加者同士でフィードバックがなされるなか、Bさんは自分が意図したファシリテーションが、予想したほどにグループに影響を与えていなかったことに気づきます。
また、強く意図した介入にかぎって、グループにネガティブな影響を与えていたことにも。
もしかしたら、意図しておこなった介入が、他の人たちにとっては、ちょっと強引に感じられたのかもしれません。
私たちは時々、ファシリテーションを学ぼうとする人に、「ファシリテーションのイメージ」を問うことがあります。
すると、こんな答えが返ってくることがあります。
「場を仕切るスキル」
「本音を引き出す技術」
「うまくコントロールする方法」
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私たちはファシリテーションについて、「援助・促進のスキル」であると説明をしています。
ファシリテーターは「援助する人」「促す人」であって、強引に話しあいを進めたり、強制的に発言をさせたりすることではありません。
でも世間では、もっと強引な介入を期待しているようでもあります。
ファシリテーションとはいったいどのようなものなのか。
それは、模擬会議に取り組んで、それをふりかえる「ラボラトリー方式の体験学習法」を通して、学んでいただきます。
「正解」はありません。
試してみて、ふりかえることで、「援助・促進」とはどういうことかに「はっ」と気づくことがあります。
(まだまだ、気づかないこともあります)
援助・促進というのは、たとえばこんな関わりでしょうか。
「リーダーの説明に不明な点があって、そのために皆が発言を控えているのでは…」
「いま、話しあいの成果目標があいまいになってるように思いますが…」
「この議題は、このチームにとってどれほど重要なのでしょう…」
目標や目的をあらためて言語化することで、皆のベクトルを揃える。
自由なコミュニケ―ションを阻む要因を明るみに出して、発言を促したりする。
自分たちの率直なディスカッションを阻むものへの気づきを促すことで、一人ひとりが主体的な行動をとるきっかけが得られます。
「黒子」とか「縁の下の力持ち」みたいな例えが、ファシリテーションにはふさわしいでしょうか。
さて、「力試し」に来られたBさんは、後日、幹部昇格試験をうまく乗り切ったそうです。
Bさんが試験でのグループ討議でおこなったことは、討議の目的を再確認したり、残り時間を告知したり、他者の発言に反応したり…など。
援助的で促しの行動に徹していたそうです。






