メンバーの成長
成長を促すフィードバック
2022-12-09
部下へのフィードバックを言われると何を想像しますか?
調査などの結果報告?半年に一回の評価面談?360度フィードバック?上司との1on1ミーティングでのアドバイス?このような上司から部下に対する「フィードバック」が日常的に行われています。一般的にフィードバックとは、相手の行動に対して改善点や評価を伝え、軌道修正を促すことと言われています。このようなフィードバックは、部下の成長を促進したり、相互の信頼関係を構築するために行われているはずなのですがうまくいっていますか?
ここでは、効果的なフィードバックのヒントや部下の成長につながるフィードバックについて書いてみたいと思います。
フィードバックとは何か?
もともとフィードバックとは、「フィードバック制御」という制御工学の分野から生まれた言葉です。フィードバックとは、たとえば目的に向かって飛んでいるロケットにおいて、センサーから進んでる方向のデータが制御機器に送られることです。それを受けて姿勢制御していきます。
人間関係においては、“いまここで”の人間関係において一各人の行動が他者にどのような影響を及ぼしているかに関する情報を提供したり,受け取ったりする情報の相互交換のプロセスといわれています。つまり、その人の言動が周りにどんな影響を与えているのかなどの見えたことをその人に伝えることをフィードバックと言っています。
フィードバックとは個人やグループが成長するためになされるものであり,またお互いの関係をより深めるためにおこなわれるものであることがもっとも大切です。
フィードバックの効果
おたがいに真剣なフィードバックがなされた時、より満ち足りた信頼関係や、成熟したグループが生まれてきます。
- 意図する目的に向けて軌道修正できる機会になる
フィードバックの目的は、意図と行動のズレを修正することにあります。その人の言動がどんな影響を与えているかを伝えることで、本人は確認できたり軌道修正することができます。 - モチベーションを高められる
部下は周り特に上司の反応を気にします。上司が部下に対して「しっかり見ている」と伝えることで部下は安心して目的に向かって進んでいけます。定期的にフィードバックすることは大切です。 - 自律的成長につながる
自分の言動についてどう影響をしたかのフィードバックをもらうことで、自ら修正したりその強みを認識することができます。 - 信頼関係が高まる
上司、部下がお互いにフードバックを与え合う関係は信頼が深まります。お互いの忌憚ないフィードバックで信頼関係がたかまり、信頼関係の高かまるとより深いフィードバックができるようになります。
具体的なフィードバックの方法
- 描写的に、具体的に
フィードバックはデータ提供です。事実と共に伝えることが重要です。事実があると相手も受け取りやすくなります。 - データは制限的
ある時ある状況でのことを伝えているので、「いつも・・・」などとは言わないようにしてください。 - 見えた事実だけでなく、私に与えた気持ちも伝える
「フィードバック=事実+(私に与えた)影響、気持ち」そのように伝えると効果的です。 - 良い、悪いは言わない
評価しない。褒めたり叱ったりで人を動かすと、褒められるように、叱られないようにあなたの顔色をみながら行動することになります。 - 相手が受け容れやすいように配慮する
防衛されると相手の耳に届きません。 - Iメッセージで伝える
「私は…」私を主語に伝えます。「話を聞きながら他所を見ていたので、私は聞いてくれているか不安になりました」 - どうするかは相手に任せる
あくまでもデータ提供です。それを受けて変えるかどうかは相手の自由です。それが主体性を尊重することにつながります。 - フィードバックには時がある
適切なタイミングでおこなう。一般的に、フィードバックは指摘される行動があった直後、できるだけ早い時点でなされるのが最も有効です。 - 求められるものである
フィードバックを押しつけない、あくまでも相手のためにするのがフィードバックです。 - 変化が可能なものに限られる
身体的特徴など変えられないものはNGです。どう変えたらいいのわからないことを言われても困るだけです。
フィードバックを受けるときの注意点
必ずしもフィードバックが正しいとは言えないので、あの時その人はそう見えたとデータとして受け取ることです。また、多くの人からフィードバックを受けることで正確性が高まります。
ポジティブフィードバックが効果的
フィードバックにはポジティブとネガティブがあります。相手のパフォーマンスを高めるためにはポジティブが効果的です
(参考) 「人間関係トレーニング」(なかにしや)