嶋田 至のブログ
ユース・オブ・セルフ:組織開発に自分を用いるということ
2022-06-23
ユース・オブ・セルフは、組織開発の大切な考え方のひとつです。
「自分自身を用いること」、すなわち、自分自身の気づきや価値観を組織開発に活用していくという考え方です。
組織の変化を促すととき、実践家やコンサルタントのあり方が、組織のあり方をなかば規定してしまうことがあります。
たとえば、民主的な行動をおこなう人が組織開発を促進すると、民主的な組織づくりが促進されるということです。
それだけに、コンサルタントや支援者の「あり方」や「かかわり方」が、組織開発の成否やあり様に、大きな影響を及ぼします。
ユース・オブ・セルフとは、「いま、ここ」の自分自身を組織開発に用いることとも言えます。
いま自分はまわりの人たちをどのように見て、どう感じているでしょう?
どんな関わりができたらいいと思っているでしょう?
それは、楽しみでもあり、怖さでもあります。
さて、セルフ(自己)には、4つの側面があるそうです。
・Self-concept(自己概念と呼ばれるもの、自分自身をどうとらえているかということ)
・Self-knowledge(自分が何をわかっているかということ)
・Self-esteem(自尊感情、自分の能力の見積りです)
・Social-self(社会的につかいわける自分の顔です)
これら4つの側面は、Self-conceptとSocial-self、Self-conceptとSelf-esteemという、2つの軸で構成されます。
そしてこれらは、一方が強くなると他方が弱まる傾向にあります。
たとえば、Self-conceptがつよくなると、「私は常にこうある者だ」という意識が強くなって、Social-self、すなわちその場その場でつかいわけることが難しくなります。
また、Self-knowledgeが強くなりすぎると、自分に対する評価が下がりSelf-esteemが弱まることがあります。
うまくバランスをとることで自分自身を確立し、適切に自分自身を活用していくことが求められます。
自分自身を客観的にみることは、とても難しいことです。
誰かの支援を得ないと、とらえることはできません。
また、その誰かを信頼していないと、その声を受け取ることはできません。
自分自身の真のあり方やかかわり方を知らない人は、組織開発に携わることは困難です。
あらためて、自分自身(Self)に向き合ってみることが大切です。
そして、仲間の純粋な声を受け入れることが大切だと思います。
図は、wikipediaから借用しました。