心理的安全性を高める
会議や朝会で「チェックイン(check-in)」してますか?
2022-11-28
会議やミーティングでチェックインしてますか?
ミーティングやワークショップの最初に参加者がひとこと発言する時間のことです。
ファシリテーションを何日も研修したのに「チェックインが一番役に立ちました。」とよく言われます。こちらとしては、他にももっと役立つことを伝えたのにとも思いますが、組織作りには、効果的で導入しやすいのかもしれませんね。
英語のウィキペディアに、「チェックインは、人々がオフィス、ホテル、空港、病院、港、またはイベントに到着したことを発表するプロセスです。」と書かれていました。
空港やホテルなどにおいて到着を知らせることなのですが、ここにいますよと自分自身の存在を知らせることです。
ワークショップや会議、イベントなどで、参加者全員が、これからの話し合いなどに「参加」することを認識し合う儀式?をチェックインと呼びます。
具体的には、本題に入る前に、数分間の時間を取り、
- 今の気持ち
- 最近うれしかったこと楽しかったこと(good & new)
- 今日の期待や気がかり
週明けの会議なら、週末に楽しかったことなどを1分以内ぐらいで話してもらいます。1の今の気持ちは必須であとはその時々で変えています。
私がファシリテーターを始めたころ、あるクライアントで10人ぐらいの定例会議のファシリテーターを任されてました。
ある日、いつも機嫌のいい部長さんがとても機嫌が悪そうで目を閉じて下を向いていたのです。議題にその部門の問題が取り上げられることは参加者全員わかってましたので、みな会議室に入ると部長にチラッと目を向けて、居心地悪そうに静かに座っていました。私も内心「今日の会議は荒れそうやなあ」と思って、緊張しながら会議を開始しました。いつものようにチェックイのから始めたのですが、部長の順番の時「昨日飲みすぎてしんどいから早く終わってほしい」といわれたので、私もほかの参加者もほっとして雰囲気が変わって議事に集中できた経験があります。その人の状態は聞いてみないとわからないのです。
人がグループに参加するときには懸念(気がかり)があります。この懸念や不安を最初に解消していないと、本題に大きな影響があるのです。
お互いに自己開示することで、心理的安全性を高めることにつながります。
このような利点があるのではないでしょうか。
- 相手の意図、期待、状況を知ることができる
聞いてみないとわからないので機会をつくるということです。 - 感情レベルの話を受けいれる基礎をつくる
仕事では気持ちとかの話はしたらいけないという規範があります。しかしほとんどのことは人の感情で動いています。それを出してもらうのは仕事にとっても重要なことです。 - 発言することで、緊張をほぐす
新人なんかは緊張してまったく発言しなかったりします。最初に口を開かせることで話しやすくなります。 - 会議に入る準備ができる
業務のことで頭いっぱいで会議に集中できなかったりしますので、一旦それをおいて会議に気持ちを向けるきっかけになります。
リアルでは会議の前とか終わった後にちょっとした雑談があったり、相手の様子で、その人の状況がなんどなくわかることがあるのですが、オンライン会議の場合は、議題だけしか話さないことが多いので相手のことはわからないことが多いのです。時間が厳しくてもオンライン会議こそチェックインの時間が重要なのです。
チェックイン導入のコツを書きましょう。
- いきなり「チェックインしましょう」といって進めない。チェックインの必要性を話して始める。無駄な時間と思われたら続かない。
- 時間を明確にする。「全体で5分、一人30秒以内で全員言ってください」など。
- 慣れないうちはファシリテーターから言う。こんな感じで言ったらいいと見本になる。
- 常にする規範を作る。時間がないときは「心身ともにあなたは何%ですか」だけでもいい。
いま思いつくことはこのくらいです。
チェックインを続けていくと、メンバーの関係性が変わり、チームや会議にいい影響が出てくると思います。簡単なことですからぜひやってみてください。
コロナ禍を経験して、私たちのチームの関係性についての意味が大きく変わってきたのではないでしょうか? いままではチームワークは自然にできていたのですが、メンバーと協働するためには、そこに時間とコストをかけないといいチームワークはできません。当方では、関係の質を高め成果を上げるファシリテーションやリーダシップの講座をしていますので参加をしてみてください。
質問や問い合わせはいつでもお答えしますので気軽にご連絡ください。
広瀬義浩