LLCチーム経営

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嶋田 至のブログ

私がプレイングマネジャーだった頃に経験したこと

2021-12-24

某メディア向けに隔月で、プレイングマネジャーを励ます意図の文章を寄稿しています。
こんなことを続けていると、私自身がマネジャーになった頃のことを思い出します。
   
私がはじめてIT企業の「管理職」になったのは、(ずいぶん昔のことですが)30歳台前半の頃でした。
慣れ親しんだ部署を離れ、これまで一緒に仕事をしたことのない人たちの「リーダー」になってしまいました。
   
部下は十人ほどで、多種多様な人たちです。
学校を卒業したばかりの新人から、十歳年上の大先輩までおられます。
コンピュータの原理も知らない人から、一人前に仕事をこなす人までさまざまです。
       
「管理職とは何をする人か」の教育を受けたこともなく、「マネジメントとは何か」を学ぶ機会もなく、突然その役割を担うことになって、戸惑うばかりです。
はじめは自分の仕事もこなせる管理職になろう、つまり「プレイングマネジャー」をめざそうと思いました。
これまで担当してきた仕事を続けながら、メンバーの仕事を受注すべく営業にまわったり、メンバーが仕掛中の仕事が滞りなく進められるようにさまざまなサポートをしたりしました。
   
ところが、この部署で手掛けている仕事内容がそこそこ先端の技術をつかっていることもあって、トラブルが続出します。
私の仕事はトラブルの「火消し役」が増え、客先に謝罪に回ることが主たる業務になっていきます。
それで、自分が続けてきた仕事をメンバーに引継ぎ、私自身は「マネジメント」に徹するようになりました。
   
それでも、トラブルが減ったわけではありません。
客先で頭を下げながら、「マネジメントってなんだろう?」といった問いがずっと頭の中を巡ります。
おそらくそんな体験が、今の仕事の遠因のひとつとなっているようです。
   
私が今、プレイングマネジャーを励ます文章を書くのは、当時の私にはできなかったものの、いろいろやりようがあることがわかるからです。
「こんなことに取り組んでみたら、すこしは楽になるかもしれない」とか、「こういうところは無理をしない方がいい」など、ちょっと抽象的になるかもしれませんが、行動を見直すためのヒントになればと思います。

たとえば、マネジャーがたくさんの仕事を一人で抱え込んだりすると、手間ばかり取られて大事な仕事が後回しになります。
チームメンバーを自分の思いどおりにコントロールしようとしても無理ですし、メンバーとの気持ちの齟齬が生じかねません。
管理者として厳しくおこなうべきことはおこない、メンバーとともに担えることは信頼しながらともに取り組んでいくようなトップダウンと協働のバランスをとることが大事です。
    
いろんな経験をして、たくさんの失敗をして、ようやくわかることがあります。
そのときにはわからなくても、ずっと後になってわかることもあります。
そんなことの一端を、言葉にあらわしてみようとしています。
   

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