嶋田 至のブログ
聞く、話す、観察する...コミュニケーションの難しさを体験する
2018-07-31
コミュニケーション研修などで、3人グループで「聞き役」「話し役」「観察役」といった役割をになって、話しあっていただく実習をすることがあります。
「話し役」は、あるテーマについて自由に話します。
伝え方に工夫をして、できるだけ具体的に、わかりやすい言葉で伝えます。
「聞き役」は、「話し役」の話を、うなずきやあいづちなどをしながら、しっかりと聞きとります。
ときには、話の内容や気持ちなどを自分の言葉で確認を取ったり、わかりにくいところを問いながら、話の内容だけでなくその背景も理解しようとします。
「観察役」は、「話し役」と「聞き役」が話しあう様子を、丁寧に観察します。
どんな言葉が発せられているのか、話し方や聴き方の特徴はどんなところか、双方の姿勢や表情はどうで、そこからどんな感情がよりとれるのか...
ほんの数分間の話しあいのあと、「話し役」「聞き役」「観察役」が、やってみて感じたことをわかちあいます。
そのあとは、役割を交代して、実習を続けます。
このような実習を終えたあと、こんなコメントがよく話されます。
「聞くって難しいね」
「観察するってしんどい」
実習では、役割を分けて取り組んでいただきますが、それでも「難しい」「しんどい」...といったコメントが発せられます。
ところが、私たちは日頃、この3つの役割を同時にになってコミュニケーションをしています。
聴き漏らしたり、うまく話せなかったり、誤解して受け取られたりといったコミュニケーション・ミスがおこるのも、無理ありません。
それだけ、人と人とのコミュニケーションは難しいものなのです。
上記のような実習を通じて、まずはコミュニケーションの難しさを実感していただきます。
そのうえで、どうすればよいコミュニケーションができるのかを、一人ひとりが「行動の仮説」をつくり、現場で試していただきます。
豊かなコミュニケーションの場をつくるには、行動の仮説を試してみてふりかえり、さらに仮説をつくって試してみる...といった日々の実践の積み重ねが必要です。
そんな気づきと学びの機会を、いろいろな職場にご提供しています。