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長尾 文雄のブログ

相手をよく知る2(人間関係塾2時間目)

2015-10-12

人間関係塾  2時間目 「相手をよく知る2」


◇みる力を養う

相手をよく知るために、私たちが養わなければならない二つの力があります。
一つは、「みる力」。二つ目は、「きく力」です。この時間は、「みる」について考えることにしましょう。
「みる」という漢字を思い浮かべてください。
まず、思い浮かべる漢字は、よく使われる「見る」です。これは日常語として、景色を見る、人を見る、○○を見ているとか、会場全体を見渡しているという意味で使われます。
お店で、お客さんが来られないかなぁと、店の外の町並みや人の動きを眺めているというような感じでしょうか。

▽「観る」
もう一つの「みる」は、観察の「観」という字。これは観察ですから、しっかりとそこに起こっていることを観察するということです。
お客さんがお店に入ってきて、誰であるか、服装は、背丈、体格、顔の表情、髪の毛の様子などを一瞬のうちに見てとります。これが観察するということです。
私たちが何気なく行なっているコミュニケーションは、言葉で交わされること以上に、非言語といいますが、言葉でない言葉によってたくさんの情報をやりとりしているといわれています。
相手の人の視線、表情、身振り、姿勢、歩き方、服装、声の大きさや話す調子などなど一瞬にして目に入ってくることをじっくりと眺めて、それらを総合して、相手の人の健康状態や気分、気持ち、若干の性格などを察知するのです。
この観察をもとにして、こちらから挨拶の言葉をかけ、お客さんをお迎えする言葉へとつながっていくのです。

▽「診る」
次の「みる」は、診察をするとか診断をするとかの「診」という字の「診る」です。相手の全体像をしっかりととらえて、プロとしての見立てをすること。医療場面にたとえると、医師が患者さんに問診したり、聴診器や手で、触診したり、検査結果を総合して、病気の状態や病名を確定し、治療方針を伝えたり、相談したりするのが、診察、診断です。
理容師・美容師もプロの目で診察、診断をするのが、この「診る」です。
その人の髪の毛の状態、顔の状態などに注目し、観察した客観的具体的なデータをもとにして、どのようなカットやセットを行なえばよいのかなと分析、診断します。それと同時に、お客さんに対して、「今日は、どうさせていただきましょうか」「どのようなカットを、お望みですか」などと、病院での問診や治療法の相談にあたるにやりとりをするのです。
お客さんが、望んでいることに加えて、こうするともっとよくなりますよという提案などをしながら、理容・美容の方針、つまり、カットの仕方や髪型、顔の手入れなどを選択する過程が、「診る」ということです。

▽「看る」
最後に、その選択した方針や方法に沿って、カットやセットなどをほどこす段階になります。
ここでの「みる」は、看護の「看」という文字を当て、「看る」となります。「看」という漢字は、手をかざしてみるとも読めますし、目で見て、手を用いて相手に関わるという意味にも理解することができます。
「看取る」といういい方もしますし、看護は、目も手も身体も用いて、相手を護るという「看る」なのです。
理容師・美容師の仕事は、この「看る」に集約されるのではないでしょうか。
「見る」からスタートし、しっかりと相手の様子や状態を「観る」ことを行い、お客さんに尋ねながら、どうすることが、このお客さんの満足を得ら得るのかを「診る」ことをし、そして、ハサミをもって、理容や美容の「看る」という仕事に取り掛かるのです。

◇相手を知ることは「みる」こと
二時間目は、お店に入ってこられたお客さんを、しっかりと「みる」こと、あるいは「見る力」育てることで、相手に対する理解を深め、質の高い理容・美容を提供することへとつなげていただければうれしいのです。

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