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講座開催報告

チーム経営塾 第8回「コンセンサス・スキル」開催レポート

2026-08-19

「決める」だけでは、チームは動かない

チーム経営塾 第8回「コンセンサス・スキル」開催レポート

2026年8月18日、チーム経営塾の第8回を開催しました。

今回のテーマは、

「葛藤を乗り越え、質の高い意思決定を促す」
~コンセンサス・スキル~

です。

リーダーの大きな役割のひとつは「決める」こと。

しかし、チームの力を最大限に発揮しようとすると、リーダーが一人で決めればいい、というわけではありません。

今回のチーム経営塾では、体験学習を通して「合意形成とは何か」「意見が対立したとき、私たちはどうするのか」「メンバーの納得感を高めるには何が必要なのか」を考えました。


「みんなが賛成すること」がコンセンサスではない

最初に、コンセンサスについて考えました。

コンセンサスとは、単純に「全員が賛成すること」ではありません。

考えは違ったままでも、みんなが納得して、ひとつの結論を導き出すこと。

これが今回の学びの大きなポイントです。

全員が同じ意見になる必要はない。

むしろ、意見の違いがあるからこそ、それぞれの背景や価値観を聴き合うことができる。

そのプロセスを通して相互理解が進み、結果としてチームの成長にもつながっていきます。

ここには、チームづくりにおいて非常に大切な視点があります。

「意見が一致していること」と「納得していること」は違う。

ということです。


体験学習「5人のツアーガイド」

今回の中心となったのは、「5人のツアーガイド」という体験学習です。

与えられた情報をもとに、グループで話し合いながらひとつの結論をつくっていきます。

最初から全員の意見が一致しているわけではありません。

むしろ、意見が分かれる。

そこで、

  • 自分の意見を伝える
  • 相手の話を聴く
  • 意見の背景を理解する
  • 少数意見にも耳を傾ける
  • 葛藤や対立を避けない
  • 最後にみんなの納得度を確認する

というプロセスを体験しました。

今回の資料でも、合意形成のポイントとして「互いに言うべきことは遠慮なく表明する」「相手の意図や気持ちも受け取ろうとする」「葛藤や対立を避けない」ことが挙げられています。


「少数意見を聴いてもらえると、納得感が高まる」

体験後の振り返りで、ある参加者からこんな感想がありました。

「少数意見だけど、それを聞いてもらえることで、最終的な納得感がめちゃくちゃ高まるっていうのをすごい体感できた」

普段は組織のトップにいるため、「少数意見になる」という経験があまりない。

ところが今回のワークでは、あえて自分が少数派になる。

そして、その意見を他のメンバーがちゃんと聴いてくれる。

その体験から、

「自分の意見が採用されること」と「自分の意見を聴いてもらうこと」は違う

ということを実感されていました。

これは、合意形成を考えるうえで、とても重要なポイントだと思います。

自分の意見が通らなくても、

「ちゃんと聴いてもらえた」

「自分の考えを理解してもらえた」

という感覚があれば、決定に対する納得感は大きく変わります。


「違う意見が決まっても、納得できる」

別の参加者からは、職場でのリアルな状況についてのコメントがありました。

若いメンバーが多い職場では、経験のある主任が提案すると、そのまま決定してしまうことがある。

「思っていることがあっても、圧が強くて言えない」

そんな状況です。

ところが今回のワークを体験して、

「理由を言ったり、聞き合えると、違う意見、自分の違う意見が決まっても納得できるんだなと思いました。」

という気づきが生まれました。

これは「納得感」の正体をよく表していると思います。

自分の意見が通ることではなく、自分も意思決定のプロセスに参加していること。

そのことが、決定への納得感につながります。


「決まったけれど、なぜそうなったのか分からない」

職場では、こんなことが起こっていないでしょうか。

会議で話し合った。

そして、何かが決まった。

でも、

「なぜ、この結論になったのか分からない」

「自分たちの意見がどこまで反映されたのか分からない」

という状態です。

参加者からも、

「決定されたことを、理由を添えて教えてもらっていなかった」

という職場での経験が語られました。

また、

「今回はこれで頑張ろうって言われて、なんか丸め込まれたなって思ってたりとかしてた」

という、率直な振り返りもありました。

今回の体験では、意見を出し合い、ぶつかり合いながら、少しずつみんなの意見が揃っていく。

そのプロセスを通して、

「ああ、こうやって本音でぶつかり合っていくと、足並みが揃っていくんだ」

という感覚を得たそうです。


合意形成には「心理的安全性」が必要

今回のテーマはコンセンサスでしたが、これまでのチーム経営塾で扱ってきたテーマとも、かなりつながっていました。

資料では、合意形成の前提として、

「心理的安全性が基盤となる」

としています。

そもそも、

「そんなことを言ったらどう思われるだろう」

「上司に反対したらまずい」

「どうせ言っても変わらない」

という状態では、本当の意見は出てきません。

意見が出なければ、表面的には「対立のない会議」になります。

でも、それは本当に良いチームなのでしょうか。

今回の参加者からも、

「違うこと言えるっていうのも安全性みたいなの」

という気づきが出ました。

そして、これまで学んできたことが今回につながってきた、という感想もありました。


葛藤は「避けるもの」ではなく「活かすもの」

合意形成というと、

「みんなで仲良く話し合って、揉めないように決める」

というイメージを持つ人もいるかもしれません。

でも、今回扱った考え方は少し違います。

葛藤や対立を避けない。
安易に妥協しない。

葛藤は、お互いの多様性を活かし、相互理解を深め、チームの力を強めるチャンスだからです。

もちろん、現実の職場では簡単ではありません。

参加者からは、会社だけでなく、地域活動やPTAなどで「なかなか合意できない」という経験も語られました。

特に、利害関係が複雑な地域活動では、

「みんながそれぞれ違う方向を向いていて、本当に大変だった」

という話も。

だからこそ、コンセンサスは「一度学んだらできるようになる技術」ではなく、実際の場で試しながら身につけていくものなのだと思います。


最後に「納得度」を確認する

今回、個人的にも印象に残ったのが、最後に「納得度」を確認したという話です。

ある参加者から、

「納得度何%って聞いて、80とか70とか言うわけですよ。その30%何があるの?って一言言うと、ちょっと納得してないことを言いやすいなと思う。」

というコメントがありました。

これは、日常の会議でもすぐに使える方法かもしれません。

「みんな大丈夫ですか?」

と聞かれると、

「はい、大丈夫です」

と言ってしまう。

でも、

「納得度は何%ですか?」

と聞かれたら、

「80%です」

という答えが出てくる。

さらに、

「残りの20%は何ですか?」

と聞いてみる。

すると、まだ言えていなかった不安や違和感が出てくるかもしれません。

それを最後に聴いてもらえたこと自体が、決定後のモチベーションにつながる。

そんな実感も語られました。


「やってみる」ことから始まる

今回のチーム経営塾では、最後に参加者それぞれが、職場やさまざまな場でコンセンサスを試してみることを課題にしました。

実際、

「来週、職場でマニュアル改定について10人で話し合う機会があるので、そのときに試してみたい」

という参加者もいました。

また、

「社内でも同じような話し合いをして、こういうやり方をしたら合意が得られるかもしれない、という可能性をみんなに感じてもらいたい」

という声もありました。

合意形成は、現場では決して簡単ではありません。

だからこそ、

「うまくできるか」ではなく、「まず試してみる」。

その積み重ねが、メンバー同士の理解やチームワークにつながっていくのではないでしょうか。


「決める力」から「ともに決める力」へ

今回の第8回で改めて感じたのは、リーダーシップとは「自分が正しい答えを決める力」だけではないということです。

リーダーシップについて、今回の資料では、

「集団や組織の目標達成に向けてなされた発言や行動が、コミュニケーション(人間関係)を通して、他のメンバーに与える影響のプロセス」

と捉えています。

そして、タテ型の「指示命令」だけではなく、

「みんなのリーダーシップ」

というヨコ型のリーダーシップも扱っています。

今回のコンセンサスの学びは、まさにその実践だったのではないでしょうか。

誰か一人が決めるのではなく、

それぞれが意見を出し、

互いに聴き、

違いを扱い、

葛藤を乗り越え、

最後に「自分もこの決定に関わった」と思える。

そんな意思決定が、チームの力を高めていく。

「決める」から「ともに決める」へ。

それは、これからのチーム経営を考えるうえで、とても大切なテーマだと感じた第8回でした。


チーム経営塾とは

チーム経営塾では、単にリーダーシップの知識やスキルを学ぶのではなく、実際に体験し、そこで起こったことを振り返り、自分たちの職場や組織でどう活かすのかを考える「ラボラトリー方式の体験学習」を大切にしています。今回も「やってみる → 何が起こったかに気づく → なぜ起こったかを考える → 次にどう活かすかを考える」というプロセスで学びました。

知識を得るだけではなく、自分自身の体験からチームや組織について学ぶ。

それがチーム経営塾の大きな特徴です。

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