LLCチーム経営

合同会社チーム経営(LLCチーム経営)

広瀬 義浩のブログ

製造業エンジニアリング部門 リーダーシップ研修事例

2012-02-02

2011/11某企業で、4回シリーズのリーダーシップ研修を開催しました。
某企業の技術部門の中堅エンジニアが対象。

そこの部長さんから「うちはおとなしい人たちが多く、将来、部門を引っ張っていけるリーダーを育てたい。」というような言葉がきっかけでした。

ここ10年でメンバーが2倍になっていて他の部署から転籍も多く明日のリーダーがいないとの認識。

今回の研修の目的は、下記の3点

  • 社内的リーダーシップ・・・設計業務・プロジェクト管理業務などの現場レベルでの推進役をはたす人材を育成する。
  • 対外的リーダーシップ・・・エンジニアが直接お客様と折衝する場面が多い。顧客、ベンダーから信頼されかつ戦略的に自社の主張を貫き通せる人材を育成する。
  • 将来のマネージャーや経営幹部候補となりうるベースを備えた人材を育成する

もうひとつ重要なことは、今まで研修をしたが関東の講師だったので、あまり面白くなかった。関西弁で活発で雰囲気が明るくなるような研修を希望とのことでした。
だから私に依頼があったようです(笑)

4回コースなので内容を書いていきます。

【1日目「場を見る」】
・チェックイン(アイスブレイク)「偏愛マップ」
・実習   「フープダウン」            ・小講義  「グループプロセスとは」
・小講義 「いま求められるリーダーシップ」   ・リーダーの影響力を体験する体験学習
・実習 「マネージャーゲーム」         ・小講義  「チームワークのポイントと求められる影響力」」
・(宿題)チェックインをしてみる

 

研修の最初にチェックイン(今の気持ちを言う)することで、グループに入ることの懸念を解消することを体験した。体験学習によりグループプロセスを見る目を養い、課題達成実習をすることによりチームの目標の共有の重要性を感じることができたようだ。

◇参加者アンケート
満足度平均・・5.07(6.0満点)

  • 日常業務で感じていた弱点がそのままゲームで現れた。
  • 体験を通して習得、感じることができた。
  • 体験学習を通じてチーム形成とリーダーの役割を学ぶことができた
  • 目標の共有など仕事に役立つ学び、気づきがあった
  • ファシリテーター型リーダーという存在を知ることができたことが大きいです
  • 楽しく積極的に参加できる研修でした
  • 体感できる講座でとてもよいと思います
  • チェックインは業務ですぐに使えそう    など

 

【2日目 「人にかかわる」】

傾聴、要約、自己開示、フィードバックをすることで、気持のよいコミュニケーションができるのを体感した。
コンセンサス実習(合意形成)でコンセンサスを体験することによって、メンバーが自発的に行動できる関係性を築けることがわかったようだ。

◇アンケート

満足度平均・・5.00(6.0満点)

  • コンセンサスに関して期待以上の効果を実感できたので社内の会議でも積極的に取り入れていきたい
  • グループワークでコンセンサスについて実感しながら学ぶことができた
  • 相手から自分がどういう姿が説明されるシーンは日ごろほとんど無いため新鮮でした
  • 会議で反対意見をまとめるか(納得してもらうか)は非常に難しく今回のようなノウハウと実践が必要だと痛感しました
  • 傾聴の有効性、言葉は知っていたが体験してよくわかった
  • コンセンサスができた時の納得感は新しい発見だった
  • 傾聴ができてコンセンサスが得られるということがよくわかった。   など。

 

【3日目 「自分をふりかえる」】

ブラインドスクエアという全員目隠ししてロープで大きな図形を作るというワークで、チームがどのようにできていくか、リーダーはどのようにかかわるのかを体感した。そのあと、そのワーク中に感じた出来事を題材に、リフレクション(内省)をし、ペアで聴きあうことで、お互いに体験を整理し課題を明確化することができたようだ。このリフレクションは、日常業務においても自ら育つ重要な武器になると思う。

◇アンケート

満足度平均・・5.31(6.0満点)
・ブラインドスクエアは普段の自分の性格が表れて日ごろのリーダーシップについて考えることができた
・体験学習は毎回楽しく勉強できるので楽しみにしています。
・自分に不足している事が明確になった
・リフレクションの実習で相手の話に感じることを述べるだけで、会話が進展し新たな意見を見いだせることを体験できた
・楽しみながら講習に参加することができ、学んだことを実生活でも生かせると思いました。
・相手に共感し話し合いの場をよくし、質問することにより相手に自分の考えをまとめさせることができる。
・話し相手に要約の相づちをしてもらうと、さらに考えがまとまり発展した意見が発生する  など。

 

【4日目 「ビジョンを目指す」】

メンバー同士で「あなたは、ここをどんな職場にしたいですか?」という対話をした後に、「私たちはこのような職場にしたい」というテーマで親和図を作成した。対話して発散した後に親和図で収束し、親和図という手法を学ぶとともに、お互いに考えているビジョンが共有されたようだった。

 

※4日間を通じてのアンケート

満足度平均・・5.42(6.0満点)
・リーダーシップのあり方について今までとは違うイメージを得ることができました。
・リフレクション–学ぶだけでは実際には出来ないので、客観的に自分を見つめ直すことで少しずつ成長できると思いました。
・リーダーとしてあるべき姿勢に対する考え方がわかった。
・チームの場づくりの重要性とツールが理解できた。
・研修は非常に面白く、自分の中で実践できることが見つかりました。
・難しいことを体感することで理解できたこと。
・自分の中のリーダーという定義が良い意味で壊すことができた。業務だけでなく日常生活にも使える手法を知ることができた。
・今までのコミュニケーション、考え方では行き詰っていた状態なので、今回、受講したノウハウは非常に役に立つと考える
・とにかく楽しい研修でした。また実習を通してファシリテーター型リーダーについて学ぶことができ、自分でもできるのではという自信を持つことができた。
・リーダーシップとはどのようなものかがよく理解できた。
・グループワークにより研修の目的が体感できた。
・体験学習がとても印象的であった。
・自分の中でなかなか面白いビジョンができたので頭の中で覚えておきたい。
・4日間、始まるまでは長いと感じたが、やってみると中身は濃かった。

 

講師ふりかえり

4日間を振り返り、参加者がコメントしたときに、下記発言があった。
「引っ張るリーダーには、私はなれないとあきらめていたけど、このようなリーダーシップ手法なら、やってみようと思いました。」

他のメンバーのコメントにもありましたが、いま新たにリーダーになろうとする人たちは、
人をまとめて引っ張る強いリーダーにな到底なれないと思っているようです。
自分より年上の部下、自分より専門知識を持ってる部下、価値観が違う部下など多様なメンバーがいるチームを引っ張ることは不可能かもしれません。
メンバーが、それぞれの特徴を生かして、自発的にリーダーシップを発揮し、リーダーはそれを支援し、発揮しやすい場(環境)をつくる、ファシリテーター的なリーダーのモデルが学習できたのではないかと考えます

※文中の写真は、チーム経営の公開講座の物を使っております。

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