GLOSSARY
4つの懸念(ギブの懸念)
4つの懸念(ギブの懸念)は「人が生き、成果があがる組織づくり」の障害となるものです。
人が他者やグループとかかわるとき、4種類の懸念が生じると、j.ギブがまとめまたそうです。
まず、受容に関する懸念です。
まわりの人たちは私を受けいれてくれるのか?私はみんなを受けいれることができるのか?
転職した時や新たな部署に異動したとき、あるいはセミナーやイベントなどでよく知らない人たちとかかわることになったとき、この懸念が生じます。黙っていたり、愛想笑いをしたりして、ちょっとそこに居づらい感じがします。
2つ目は、コミュニケーションについての懸念です。
相手との信頼関係が弱いときに生じます。他者やグループに、いま自分が思っていることや感じていることを、どれだけ率直に言えるのかという懸念です。「みんなの意見を聞きたい」と思って部下を会議室に集めたものの、誰も発言しない...。こんな体験はありませんか? 「上司は私の発言をそのまま受けいれてくれるだろうか?」という懸念があると、メンバーは黙っているか、あるいは上司が気に入るようなことだけ発言するでしょう。
3つ目は、目標に関する懸念です。
組織やチームは目標や目的があってつくられるものですが、目標があいまいなとき、メンバーはバラバラな行動をとります。そもそも、自分は何を期待されて集められたのかわからないからです。愚痴が出たり、おしゃべりが続いたりして、メンバーのモチベーションは下がることでしょう。
4つ目は、影響力についての懸念です。
自分はここでどのように行動すればいいのか、どうすれば自分らしくかかわれるのか、誰についていったらいいのか...。グループにおける自分のかかわり方や影響力の出し方がわからないとき、誰かに依存したり、あるいは反発したり、「社会の常識はこうだ!」と外部のルールをふりかざして自分の立ち位置を守ろうとしたりします。
「人が生き、成果ががる組織づくり」は、いま、この場に、どんな懸念があるのかを感じるところからスタートします。そして、懸念をすこしずつ解消するために、主体的にはたらきかけていくことが求められます。