米国の組織開発の「教科書」には、組織開発の基礎にある価値観として、「ヒューマニスティックな哲学」を挙げています。
組織開発とは、人々の自発的な行動を促し、チームワークを高め、最高のパフォーマンスをあげる組織をつくるための取り組みです。
     
さて、「ヒューマニスティック」とは、わかったようでピンときにくい言葉ですね。
直訳すると、「人間主義な」や「人道的な」です。
「人間をこの上なく尊重する考え方」といったらいいでしょうか。
     
この教科書では、「ヒューマニスティックな哲学」の解説として、「人間は基本的に『善』であり、邪悪なものではない」という信念があることが書かれています。
組織のメンバーはすべて、自ら変化し、成長し、組織にとって最善となる行動を選ぶことができるのだという信念です。
そして、メンバー一人ひとりの尊厳を重んじることを主張しています。
  
でも実際には、どこの組織にも、身勝手な行動をする人や、とんでもない発言をする人がいます。
彼らは職場の和を乱し、働く人のモチベーションをどんどん下げたりもします。
トップやリーダーたちの心労は重くなるばかりです。
そのような人たちも、この上なく尊重しなければいけないのでしょうか?
 
答えは「Yes」です。
組織開発をすすめる際には、そんな人たちも「善」をおこなう人だと信じることが大切だということです。
トップやリーダーにとっては、厳しい条件ですね。
でも、組織開発はそこからスタートします。
彼らがネガティブにみえる行動をするのは、その理由があるからです。
       
「ヒューマニスティックな哲学」に疑問を感じるのでしたら、組織開発の着手は再検討したほうがいかもしれません。