MEMBER
メンバーの成長
ともに働く人たちの持ち味を生かし、人間として成長することを促すためには、リーダーや、まわりの人たちの支援が必要です。私たちは、ともに学びあい成長を支えあう場をつくっていきたいと思います。
協力しあえる
関係をつくる
転職や異動、あるいは管理職になって、あまり知らない人たちとかかわることになったとき、「この人たちとうまくやっていけるのか?」といった不安が生じるものです。よく話しあってお互いを知りあえると、安心感が生まれてきますが、自分を守ろうとする気持ちが強いと、なかなか率直に話しあうことができません。
お互いの理解を深め、信頼関係を促していくためには、おたがいの思いや気持ちを率直に伝えあっていくことが必要です。
自分のことや、いま感じていることを相手に伝えることを「自己開示」といいます。相手の言動について自分が感じたことを相手に伝えることを「フィードバック」といいます。自己開示とフィードバックを繰り返すことで、おたがいの心理的な距離が近くなって、どんなことでも言いあえる関係性がつくられていきます。
まず、リーダーから自己開示することが、協力しあえる関係づくりには大切です。
自己開示とフィードバックには、少しだけ勇気が必要です。かんたんな自己開示とフィードバックの練習を続けることで、ちょっと厳しいフィードバックも言える力を養います。
自分で考え
行動する人を
育てる
いま、自分で考え行動する人を育てる方法として、リフレクション(内省)支援が注目されています。リフレクションとは、仕事にかかわるさまざまな体験を丁寧にふりかえり、そこからより良いかかわり方を見出していく学習法です。
たとえば、お客様にクレームを言われた若手社員が、なぜクレームを言われたか理解できずに不満を感じているとします。皆さんは、この社員にどのようにかかわりますか?対応の不十分さを叱ることもあります。「こうしなければいけない」と指導することもあります。「次はうまくやろう!」と励ますこともあります。
リフレクション支援では、「どんな発言や行動をしたのか?」「その結果、どうなったのか?」「あなたはそのとき、どんな気持ちでいたのか?」などを問いかけます。そして自分の言動が相手にどんな影響を与えたのか、「あ、そうか」と気づくことを促します。
これからの時代、マニュアルどおりの対応では限界があります。リフレクション支援をうまく導入して、臨機応変に考え行動する人の育成が求められます。
リフレクション(内省)支援の考え方やその効果をお伝えし、相手が自ら学ぶことを促すかかわり方について、実習とふりかえりを通じて学んでいただきます。
葛藤や対立を
乗り越える
同じチームのメンバーでも、考え方や価値観、これまで経験してきたことが異なります。意見が対立したり、「どうしてそんなことを考えるのか?」と相手の発言や行動に疑問をもつことがあって当然です。
葛藤することは、それ自体は悪いことではありません。一人ひとりが異なる考えをもっているからこそ、多様な視点で課題をとらえることができるし、さまざまな意見を出しあうなかで、より創造的で効果的な対応策を選ぶことができるのです。
ただ、相手への不信感が強かったり、自由に発言することへの懸念が高いとき、その葛藤は複雑になるばかりで、時間をかけてもお互いを理解しあうことにはならないでしょう。
私たちは、葛藤を乗りこえ合意を促すためには、まず「心理的に安全な場」をつくることが大切だと考えています。心理的に安全な場とは、「こんなことを言ったらバカにされるのではないか」という懸念が払拭された状態です。率直に意見を伝えあい、一人ひとりの意図や思いを共有する過程で、お互いの理解を促し、納得度の高い合意を得ることができるはずです。
意見の対立を乗り越えて、皆が納得するような合意を促すスキルを学びます。グループで意見の対立する会議を試し、対立の状況がどのように合意に変化したのか、その過程をふりかえります。合意を促すための大切なヒントが得られることと思います。