嶋田 至のブログ
ダイバーシティ(多様性)を尊重するための感情のマネジメント
2020-01-22
ダイバーシティ(多様性)を尊重した組織運営のためには、自分の感情をマネジメントできることが必須です。
ダーバーシティ、すなわちメンバーの多様性を引き出し、それを仕事の成果につなげていくには、まず、一人ひとりが何を考え、どんな意見をもっているのかを聞き出さなければなりません。
ただし、誰もが自分の意見を発言することに慣れているわけではないでしょう。
はじめは発言が無かったり、何を言ってるのかわからないような意見を聞かされるかもしれません。
耳を傾けて待つ、どんな意見でもまずは受け入れる、わからないことは理解しようと努める。
こんな姿勢や行動が、チームや組織を率いる人には求められます。
それは、容易にできることではないでしょう。
かなり感情が揺れ動き、怒りなどネガティブな感情が高まる場合もあります。
ただ、そのときに感情を爆発させたり、自制できなくなると、相手の多様性を引き出すことはできなくなってしまいます。
近年、アンガーマネジメントの一環で、感情に振りまわされないための、さまざまな「対策」が紹介されています。
それはそれで参考にしたらいいと思いますが、大事なことは、まず「待つこと」かなと思います。
怒りの感情は、ほんの5~6秒間しか続かないそうです。
すこし待ってから、相手の発言を促したり、質問したりする行動をとればいいことです。
怒りの感情が続くのは、自分が「怒りつづけよう」としているからかもしれません。
そこには、「相手の思いを理解したい」というよりも、「相手をコントロールしたい」という意図があるのではないでしょうか?
メンバーのダイバーシティを尊重するためには、次のようなステップで自分の感情をマネジメントすることが必要です。
まず、「今、自分のなかにどんな感情が生じているのか」を意識すること。
次に、その感情のひとつひとつに「名前」をつけていくこと。「うれしい」「もの悲しい」「期待がはすれた」「もどかしい」...。
名前をつけていくことで、自分のなかにさまざまな感情が混在していることがわかるかもしれません。
たんに「怒り」だけが認知されていたとしても、その根底には多様な感情や思いがあるはずです。
次に、それらの感情の生じた原因を探ってみることです。
感情を生じさせているのは、相手ではなく自分自身です。
「私はなぜ今、このような感情をもったのか…」を探ってみることです。
大事なことは、自分の感情を抑えようとしないこと。
感情は抑えようとして亡くなるものではあありません。
むしろ、さらに激しくなる場合もあるでしょう。
最後に、その感情をどのように取り扱うのがいいかを考えてみる。
あえて、激しく表現することがふさわしい場合もあるでしょう。
静かに、今の気持ちを相手に率直に伝えてみるのがいい場合もあります。
喜びの感情など、多少オーバーアクションでもいいかもしれません。
いま、ここで、どのように感情を表現することが、自分のためになるのか?
相手の成長を支えることにつながるのか?
自分と相手との関係性を深めていくことになるのか?
そんな「自分の感情のマネジメント」が、ダイバーシティを尊重した組織運営につながるのだと思います。