先日、ある製造業の労働組合様で、「職場討議のための場づくりスキル(ファシリテーション)研修」をおこなわせていただきました。
全国の支部から、役員さんたち40名ほどが集まってこられました。
     
職場討議は、組合の方針を伝えて協力を促したり、組合員一人ひとりの意見を集めるなど、組合活動のなかでもっとも基本的な活動です。
しかしながら、皆さん、職場討議には頭をかかえておられるようです。
    
「メンバーがなかなか集まらない…」
「意見を求めても、発言してくれない…」
「十分に話しあえた気がしない…」
「専門用語が通じていない気がする…」
    
研修では、まず「職場討議で何が問題なのか」を、親和図法をつかって話しあっていただきました。
親和図法は、KJ法をベースにした問題解決技法です。
こんなふうに制作していきます。
1) 一人ひとりの意見を付箋紙に書いて貼り出す
2) 似たものをグループ化し、グループに「表札」をつける
3) 似ているグループを近づけるなど全体のレイアウトを整理する
4) グループ間の因果関係や相関関係を図や線で描く
   
グループでワイワイガヤガヤと話しあうなか、表面的な問題点の背景に、見えなかった問題が潜んでいたり、軽く考えていたことが大きな影響を与えていることに気づいたりします。
    
「そもそも資料を事前に読んでもらうことが難しい?」
「労働組合らしくしようとすることが縛りになる?」
「職場の上下関係がつよくて、フラットな話しあいができない?」
    
親和図を見ながら、場づくりスキル(ファシリテーション)の基本的な考えを伝え、明日からでもつかえるような「介入(はたらきかけ)」の方法を、ワークを交えながらお伝えしました。
   
最後は、グループで「職場討議で大切なこと」を3つ選定しました。
意思決定の方法はコンセンサス(合意形成)です。
合意形成は、メンバー全員が納得していることが前提で、そのためには発言だけでなく、発言の背景(意図や気持ちなど)も引きだして共有することが求められます。
コンセンサスを試すことで、メンバー間の相互理解や信頼が強まります。
     
どのグループも、最後まで真剣な表情で話しあっておられました。
長い研修が終わって皆さんお疲れの様子でしたが、改善のためのヒントを見つけられたような雰囲気です。
   
労働組合は本来、一人ひとりが働きやすく成長できる職場づくりをめざすものだと思います。
でも、ともすれば役員に重荷を負わせ、メンバーに苦痛を強いることもおこりがちのようです。
   
職場討議を改善することは、たちまちは難しいと思いますが、改善を促す方法は多々あります。
ひとつひとつを丁寧に試していくことで、目に見える効果があらわれるでしょう。
メンバーが「参加してよかった」と思える組合づくりをすすめていただければと思います。