システムエンジニア Tさん


今回は、2009年の3月~5月のチーム経営ファシリテーションスクールを受講されたTさんにインタビューしました。Tさんは、大手のシステム会社にお勤 めです。顧客先に常駐しDB(データベース)のスペシャリストとして、顧客の全国の店舗の出荷、売上、在庫などの情報を管理されています。その顧客先に は、いろいろなシステム会社からの派遣のスタッフがおり、全部で10名程度のシステム運用チームを形成しています。DB管理者はTさんのほかにもう一名お られます。

Q1、ファシリテーションをはじめたきっかけは?


システムエンジニアとして様々なトラブルや修羅場を乗り越え、7年間やってきました。そしてようやく3年ほど前に、少し余裕ができだし、40代で活躍でき るようになるため、これから先のキャリアをどうするかを考えるようになりました。いま34歳ですが、このままDBのスペシャリストとしていくのか、システ ムコンサルタントになるのか、プロジェクトマネージャーを目指すのか、いまだ迷いを持っています。

そうした中、英語をはじめいろいろな資格を取得しましたが、どれも40代で活躍?できるとうほどではなく、最新のシステムのテクノロジーだけではなく、「ビジネススキルをきちんと学ばないと」と思っていました。

そんな折、チーム経営の体験学習ワークショップを知り、何回か出てみて、そして体系的なファシリテーション講座でファシリテーションを学ぶことにしたのです。

Q2、半年間、ファシリテーションを学んでみて


ファシリテーションの本は何冊か読んでいたのですが、それらは停滞する重い空気の会議に一石を投じ、売上を倍増する「立身出世物語」でした。その中のファシリテーターはカリスマ的で、自分にはそうしたカリスマ性はないので、大丈夫かなと心配していました。

講座では体験学習で傾聴、コンセンサスなどコミュニケーションの基本を学ぶとともに、メンバーの会議の様子をオブザーブするなど応用を学びました。その中 でファシリテーションとはコミュニケーションが基本であり、背伸びをする必要はないのだということがわかり、少し安心しました。

学んだ後、自社の会議で使いたいと思っていますが、実際の会議ではとても有力な自分で決めて指示する型のリーダーがいて、進捗報告的な会議になっており、ファシリテーションを発揮できない状況が続いています。

しかし、一方で部下とのコミュニケーションが自然に多くなりました。部下とも定期的に面談を行いのですが、前はロジカルに課題ができたのか、できないとし たらその理由は?などというやり取りが中心でした。ところが最近は、部下の話を傾聴するようにしたせいでしょうか、「もうすぐ結婚するんです!」みたいな プライベートな話まで自由にしてくれるようになりました。もちろん状況によっては以前のロジカルな対応もしますが、自分としては、関係のとり方の「幅が広 がった」感じがします。

また友人とキャンプに行く計画を立てた時など、一人ひとりの意見を引き出し、まとめていくのにファシリテーションは役に立っています。


Q3、これからの目標

最初の目標として、自社の会議でスキルを発揮し存在感を示したいと思っています。特に会議中に発言が流されてしまうことが多いので、講座で学んだ傾聴と要 約・確認のスキルを使って、場の皆が発言を理解し、結果として合意形成のレベルがあがるような働きかけをしたいと思います。
いまは強権的リーダーが、自分さえわかればよいという感じで、さっと流れていっている感じです。ただ、ファシリテーションの勉強後、このリーダーとも話をすることは増えました。このリーダーも含めて、よりよい場づくりができればいいなと感じています。

そのためにもファシリテーションの継続学習の場である「会員定例会」などで練習を積み重ね、さまざまな経験を積み、自信をつけたいと思っています。将来はプロのファシリテーターになりたいという思いもあり、その位のスキルを習得したいと考えています。
もう一つ、いまIT業界は、グローバル化が進んでいます。開発はインド、運用・コールセンターは中国といった具合です。私は外国人としゃべるとなぜかすご く緊張してしまいますが、でも根は同じ感情をもった人間です。将来の夢として、外国人との壁をファシリテーションスキルで打ち破り、グローバルチームを作 れたら良いなと思っています。

インタビュー後記

今回の事例を聞いたのち、定例会のメンバーで「強権的リーダー」を含めた場づくりについて検討を加えました。こうしたリーダーは本当はとてもしんどい思いをしているのだということがわかってきました。うまくチームに入ってもらえるとよいと思います。