NPO法人サニーサイド 松村史邦さん


今回は、2008年のファシリテーター養成講座に参加された松村史邦さんにインタビューしました。松村さんは、福祉作業所や介護派遣事業を行っているNPO法人サニーサイドにお勤めです。NPO法人サニーサイドには20人くらいの社員さんと10人程度の登録ヘルパーさんがおられます。

Q1、チーム経営との出会いは?


もともとファシリテーションに興味をもち、いろいろ自分で勉強していました。やはり組織における会議で、主宰者や、声の大きい方が一方的に話すことが多く、大事なことが共有できない、メンバーが会議を嫌がることが起きていたことがきっかけでした。

そこで例えば斎藤孝さんの「会議革命」などを読み、チェックシートを利用したり、一人ひとりの発言を汲み取ろうとしてきました。そしてその中からいまの職場の課題を明確にし、新たに問題を解決するための会議を設置するなど、職場活性化のための枠組みを作ってきています。

しかし、こうした枠がよりよく生きるようになるためには、会議をもっと活性化させる必要があります。そこで、ホームページで、大阪で何日間かのコース(1日では不十分と思った)を探すとチーム経営のファシリテーター養成講座がヒットしたので参加することにしました。

Q2、講座を受講してみて思ったことは?


講座の中で印象に残ったのは次のような点でした。

・組み立てが上手。ワークショップと講義のバランスがよく、「いやすい」感じでした。
・ファシリテーションの役割をすべて1人のファシリテーターが行うのではなく、参加メンバーで役割を分担していくという考えは新鮮でした。
・「フィードバック」の練習が、日常に持って帰れると感じました。
・最終日のロールプレイで自分のあり方、ファシリテーターとして自信がついた!
・場を感じる、場の力がある。というスキルがあるのをはじめて知りました。

Q3、自分の職場にかえって


(1)まず取り組んだことは?
やはり会議の中でファシリテーターをすることでした。そして、だんだんと上手になってきています。特にメンバーの発言を要約してかえすというスキルを使う と、他のメンバーにも本人にもよりよく理解されることが生じました。それまで、発言が受け取られずに流されていたことが改善されたと思います。発言してい ない人に話題をふったりもできるようになりました。また会議の中でホワイトボードを使う癖が付きました。こうすることで、皆に「いま、ここの部分をしゃ べっている」ことがわかり、話題がそれている場合、わかりやすくなりました。
そして全体会議を単なる報告会議ではなく、問題解決やアイデアを出す会議へと変化しました。そのなかで、講座で習ったようにKJ法で問題のアイディアだし をし、グループにわけて課題を検討し、最終的にチーム内で課題を1件に絞るコンセンサスをするように会議をデザインしました。
また全体会議では、最初に1人がいまの気持ちや近況を話す「チェックイン」を導入できるようになりました。最初は時間の無駄という意見もありましたが、 やっているうちに、メンバーのさまざまな想いが共有されるようになり、これが場の雰囲気を変えたように思います。こうした工夫をすることで、「言ってもい いんだ!」という感じが出てきて、またいままで意見を考えようとしなかったメンバーが、考えることができるようになったと感じています。
このほか、現場ではいろいろなミニ会議があります。そこでは、それぞれ会議のやり方が違うのですが、ファシリテーション的考えを広めたいと考えています。 現場によっては私(松村さん)をファシリテーターとしていさせてもらえることもあります。しかし、ファシリテーション的になっていない会議も多くありま す。ただ、それぞれの文化を大切にしたいと思っています。やはり最終的に会議がうまくいないのは、私を含む、それぞれが、「自分の発言の影響力」に気づい ていないことが多いと思います。

(2)困ったこと、失敗したことは?

最初に、ファシリテーション的な会議の仕方について合意をとらず始めた時に、「なぜ?」という不満や反発が起きたことがありました。会議の仕方の合意(特に会議を変える際に)をどのように取っていくか難しいと思いました。
またホワイトボードに板書している際、議論の流れで例えばメリット、デメリットなどをあげていこうとT字図を描くと、「そのやり方に合意してない。」「ま だ話はそこになってないでしょ!」と反発を食らうこともありました。さらに「課題を3つあげてください」などと指示した際、「4つあるのに!」と反発され ることもありました。

(3)嬉しかったこと、勇気づけられたことは?
やはり会議が終わった後、全員が笑って、「会議よかったね!」と言い合っている時が嬉しいですね。またお互いが意見を理解しあい、合意が取れた時やりがいを感じます。

Q4、松村さんの思い


(1)現場で取り組むのは勇気がいるし、反撥もあると思うが、それでもやろうと思うのは?
もともと自分は問題解決志向が強いと思います。働いている中で、文句や愚痴がでると、それで終わらせるのはもったいない、「仕事のやり方」を変えれば改善できるのに・・、と思ってしまいます。解決の「場」がないから、改善できないのです。

こうなると「変えたい!」と思います。会議で意見が出ないのはもったいないですね。そこで場を作っていく方法として「ファシリテーション」が必要だったのです。

(2)今後どうしたいですか?
まずサニーサイドとしては、ファシリテーターが出来る人を増やしていきたいと思います。せっかく縁があって、一緒に働いているのですから、愚痴や、人への 攻撃ではなく、問題解決ができ、あったかくて、快適な、メンバーの意見や知恵が出せて能力を発揮できる職場を作りたいと思います。困ったことを皆で解決で きる楽しい職場にしたいのです。

個人としては、人に教えることが好きなのもあって、もっとファシリテーターをしたいと思っています。職場の中でファシリテーションの勉強会などもしましたが、こういう機会をもっと増やしたいと思っています。
またできれば他のNGO、NPOなどにも広げるお手伝いができればいいなあと思います。