先日、ある労働組合の専従の皆さまを対象に「会議ファシリテーション研修」を実施しましたが、その1ヶ月ほど後になって、「実践報告」をいただきました。
     
研修後に参加者からお礼のメールをいただくことはありますが、具体的に「このように実践している」と報告をいただくことはめずらしいので、メールを読んで嬉しい気持ちになりました。
   
この労働組合では、執行委員会で議論が深まらなかったり、発言しない人が多かったり、意思決定への納得感が足りないことを「重要な課題」ととらえ、ファシリテーションの本などを皆で読みあっていたそうです。
しかし、一向に改善されないため、私どもで研修を実施することとなりました。
           
研修では、あるテーマで30分間の模擬会議をしていただきました。
    
いろいろな意見が出されましたが、あまり議論が深まった感じではなく、メンバー間にちょっとした温度差も感じました。
時間内に意思決定がおこなわれましたが、皆さん、あまり納得感が高くない様子です。
  
模擬会議が終わったあと、
・模擬会議では、どんな出来事がおこったのか?
・各メンバーの言動は、会議の進行にどんな影響を与えたのか?
・意思決定について、どれほど満足しているか?
などについて、1時間くらいの時間をかけて、ふりかえっていただきました。
   
ふりかえりを初めた頃は、「こんな進め方でよかったかな?」「なぜこんな発言をしたの?」など、各人の発言や行動をめぐって、淡々と進められていました。
    
ふりかえりの中盤、各メンバーがどんな気持ちで話しあっていたのかが語られるようになりました。
「実は『これは研修だから』と、いい加減な気持ちでかかわっていた…」
「僕はこの研修を現場でどう活かせるかを、真剣に考えていた…」
「模擬会議のテーマが難しいので、何を言っていいか悩んでいた…」
   
各人から率直な気持ちが語られるなか、参加者一人ひとりに「はっ」と気づく瞬間があったように感じました。
           
話しあいの場では、発言の内容だけに注目していると、大切なことを忘れがちです。
一人ひとりの思いや期待、気持ちや違和感に配慮することで、全員が気持ちよく参加できる場ができます。
   
そのような場は、研修での学びを意識的に実践していくことで、だんだんとつくられてくるものです。
ふりかえりでの「気づき」の内容は一人ひとり異なるかもしれませんが、「はっ」と気づいた体験が、その後の実践への原動力になるのだろうと思います。