私たちは長年、タテ方向のリーダーシップに慣れ親しんできました。
これは、役職や経験などの「権威」にもとづいた指示命令による影響力の行使です。
トップや上司の指示に従うことがメンバーの義務だからです。
      
いま、メンバーの自主性を重んじたり、チームワークを促したりするとき、あるいは部門間野協働や、異なる組織間での協働を促すとき、タテ方向ではなく、ヨコ方向のリーダーシップが求められることが多くなってきました。
    
ヨコ方向のリーダーシップとは、メンバー間での影響力のことです。
   
ヨコ方向のリーダーシップは、指示命令ではありません。
メンバー間で目標を確認したり、問題点を明らかにしたり、解決への手順を模索したり、自分の思いや気持ちを伝えあったり、他のメンバーにフィードバックしたり...
その形はさまざまです。
  
タテ方向のリーダーシップに比べて、多少時間がかかるかもしれませんが、お互いに影響しあうことで、一人ひとりが成長を実感したり、チームワークが強まっていくことが期待できるでしょう。

ただ、ヨコ型のリーダーシップには、タテ型にはない「弱さ」があります。
それは、葛藤が生じやすいということです。
       
「私にはあなたの言ってることが理解できない」
「あなたと私は価値観がまったく違う」
「あなたにそんなことを言われたくはない」
 :
   
葛藤は対立を招き、人と人との心理的距離を遠ざけ、チームの力を脆弱にしかねません。
   
タテ型のリーダーシップは権威にもとづくものですが、ヨコ型のリーダーシップは、メンバー間の信頼関係にもとづくものなので、信頼関係が弱いと、容易に葛藤が生じます。
  
どうすれば、信頼関係を強めていけるのでしょう?
  
信頼関係は、ヨコ型のリーダーシップを行使するなかで培われます。
ヨコ型のリーダーシップを行使しあうなかで信頼関係は培われ、信頼関係の強まるとともに、ヨコ型のリーダーシップは成熟していきます。
   
そのためには、いま、ここの葛藤に向きあい、ともに葛藤を乗り越えていくことが大切だと思います。
葛藤を乗り越えることが、リーダーシップの質を高め、チームを成熟させていくことにつながります。
   
よく、チームづくりや組織間の協働が「きれいごと」でとどまっているのは、このような共通理解が欠けているからではないかと、ときどき感じます。